平成18年代1回定例会一般質問 議会
◯五十二番(郷湖健一)私は、みらい仙台の郷湖健一でありますが、ただいま議長よりお許しをいただきましたので、通告順に従い順次一般質問をいたします。

トリノオリンピック荒川静香選手の活躍について
 トリノ冬季オリンピックも、開会より十七日間の祭典が日本時間の昨朝閉幕いたしました。数ある競技の中で、各選手は自己ベストに挑戦し、すばらしい活躍をいたし、国民に大きな感動とやればできるという勇気と元気を与えてくれました。その中でも、日本で一個の金メダリスト、荒川静香選手の銀盤の競技の花形、いわゆるフィギュアスケートが見事に世界の頂点に立ち、日本でただ一つのメダルの獲得をいたしました。このことは世界じゅうに日本の国の名をはせらせ、国民に大きな感動と勇気を与えました。荒川選手は神奈川県生まれ、利府、仙台に住み、東北高校に学び、五歳からスケートを学び今日に至ったということであります。まさに仙台から世界の頂点に立った選手であると言っても過言ではございません。梅原市長として、仙台市として、どんな賞を考え、この栄誉と快挙をどのような形で荒川静香選手をたたえられるのか、市長のお考えをお聞かせいただきたいのであります。

泉ヶ岳の再生と活用

 次に、泉ケ岳の山容をもっと市民が親しめる環境にすべきであるという観点から、以下の諸課題についてお伺いをいたします。
 我が市のシンボルである泉ケ岳は、奥羽山脈の一翼を担う山容であり、本市の豊かな自然環境をあらわす象徴ともなっております。その美しい姿と自然が生み出す四季折々の美しさ等は、有史以来、里に住む人々のあこがれとなり、畏敬の対象ともなっております。また、山裾を源とする七北田川の流れは、里に住む多くの市民に大きな恵みをもたらしてくれております。そして、戦後間もないころから、登山、ハイキングなどに最適の地として注目され、多くの市民に親しまれてまいりました。
 戦時中に消失したおきせ小屋にかわる泉ヒュッテが多くの山岳関係者の力によって昭和二十六年に建設され、スキー場整備などの先鞭となった。その後、登山人口やスキー人口の増加とともに順調に発展し、市街地に比較的近い場所であるということも幸いして、多くの子供たちや高齢者、家族連れなどが気軽に自然と親しめる場としてもにぎわいを増してまいりました。しかし、戦後六十年を経る中で、最近の市民の価値観や志向は多様化し、新しいスポーツやレクリエーションが続々と生まれ、スキーや登山にかつての勢いは失われております。泉ケ岳も例外ではなく、スキー需要は低迷しつつあり、往年のにぎわいを取り戻すことは難しくなっております。
 市では、コスモスフェスティバルやスノーフェスティバルなどを開催し、泉ケ岳の魅力の発信に努めているとともに、ミズバショウ群生地の環境整備などを図ってまいりました。その衰退の流れをとめることはそう簡単ではなさそうであります。最近の世相、特に梅原市長が提唱する安心・安全を侵すような事件や事故が多発している状況を考えると、改めて人間の精神が荒廃していく様子がうかがえ、心の豊かさ、精神の醸成と安定を生み出すような余暇時間の使い方が必要とも考えます。心の豊かさや精神の醸成や安定を生み出すためには、古きに人があこがれ恐れた自然への思いを学び、進んで自然と親しみ、人間の尊大さと省み、潤いとゆとりのある生活を取り戻すことが、その基礎となるものと考えております。泉ケ岳こそ市民に最も身近な自然との触れ合いの場であり、市民の心に豊かさをもたらすような、自然と親しむスポーツやレクリエーションの場であります。改めておせき小屋から泉ヒュッテ、さらに野外活動センターへと引き継がれた伝統の灯を消すことなく、今の姿勢を尊重しながら、市民が身近にしかも雄大な自然を親しむ場として、泉ケ岳とその周辺を再生していくことが、今、求められていると考えます。いかがでしょうか。その御見解をお聞かせいただきたいのであります。

 確かに野外活動センターでは、利用者の減少が続き、時勢を考えると廃止もやむを得ないと思われますが、登山やスキー客のみならず、市民が身近に自然と触れ合う場として活用していくとすれば、来訪者の利便性を確保する上で、少年自然の家の機能を見直していくことが必要であると考えますが、いかがお考えかお尋ねをいたします。また、今回の少年自然の家の移転新築の機会は、泉ケ岳とその周辺を、市民の心のよりどころにして見直していく好機と考えますが、その計画があるのか、お尋ねをいたしたいのであります。

 また、旧芳の平の果樹生産組合から取得した約二百ヘクタール余の土地の利用についてお伺いをいたします。
 そもそもこの土地は、旧泉市が昭和六十年ごろ果樹組合から約四億数千万余で取得した土地でございます。この土地は、市民が憩う自然の場として数多くの計画がありました。しかし、今日まで何の計画もなく二十年の時が過ぎ去りました。今回の少年自然の家の移転計画ということで、この芳の平の土地利用を考えるべきであります。むろん今の時代に自然を改変するような開発を望むことはできないし、望むものではないと考えますが、少しでも市民が訪れやすいように整備し、自然と触れ合うことのできるような環境にするためには、この土地を生かしていくべきであります。パークゴルフ場、グラウンドゴルフ場、多目的広場、桜の里等の土地をうまく生かして活用しない手はないと思います。これから多くの団塊世代が退職されますと、より余暇の活用を求める多くの市民が自然と触れ合う機会を設けるためにも、この芳の平の土地を含め、泉ケ岳周辺をどのように利用、活用を検討していく予定なのか、お伺いをします



泉スマートインターチェンジについて

 次に、泉スマートインターチェンジ社会実験の開設についてお伺いをいたします。
 泉スマートインターの開設は、今から二十年前にさかのぼり、泉区民の悲願でもありました。かつて宮城インターと泉インターまでの距離間が長く、その中間にもう一つのインターをと強く要望いたしてまいった経緯がございました。それだけに今回の泉スマートインターの開設は、特に泉区住民にとりましても大きな期待を寄せ、喜びにたえないところであります。特に、泉スマートインターの果たす役割には、仙台宮城インターから泉インター周辺における自動車交通を分散化させて、慢性的な交通渋滞を緩和するほかに、黒川医療圏から仙台医療圏への搬送アクセスとしての動線、そして何よりも期待されているのが地域産業の発掘であります。特にこの泉インターの入り口となる野村地区は、泉中央に接近しながら土地利用の増進がなされないまま活力を失いつつある今日に至っている状況でありますので、それなりにその期待は大変大きいものがございます。
 かつて梅原市長、村井県知事も産業の振興等々、特に自動車産業関連の育成定着を進める旨の話もあり、最適だと存じますが、いかがでしょうか。また、仙台市はコンパクトシティを目指したまちづくりを進めていることは私も理解をいたしておりますが、こうした高速道路のインターチェンジを生かした土地利用の増進を図ることも、地域の活性化に、また雇用の場の提供などの観点からも重要な取り組みだと考えておりますが、市長の見解をお聞かせ願いたいのであります。

都市計画道路について
 次に、都市計画道路についてお伺いします。
 平成十八年度における都市計画道路事業の基本スタンスについて、本市の都市計画道路事業に関連して数点お伺いをいたします。
 本市は、中心市街地の空洞化が人口減少時代の到来を迎えて、外延的に広げるまちづくりから軌道系交通機関を基軸とするコンパクトシティへの転換を進めております。また、住まいから中心部へ、あるいは拠点への三十分で移動可能なアクセス三十分構想を推進しているところでありますが、こうしたまちづくりを進める上での重要な取り組みは、地下鉄東西線の整備はもとより、軌道系交通機関へのアクセスとなる都市計画道路の整備であります。本市の厳しい財政状況が続く中で、こうした道路整備は事業の優先性を的確に把握しながら、効果的に進める必要が一層求められているところでありますが、ことし平成十八年度の都市計画街路事業費は百三十四億八千五百万円余で計上されております。そこで、平成十八年度における都市計画街路事業の予算化に当たって、どのような基本的スタンスで計上されたのかをお伺いをいたします。

都市計画道路整備計画について
 次に、仙台市総合道路整備計画の策定についてであります。
 建設局では、都市計画道路の整備計画を取りまとめた中期都市計画道路整備計画を抜本的に見直すと伺っておりますが、これは厳しい財政状況を踏まえて都市計画道路に限定せず、国、県、市道も含めて、総合的な視点で道路事業の優先性を見直すものと受けとめておりますが、これらの進捗状況はどのようになっているのか、成果の時期も含めてお伺いをいたします。

都市計画道路荒巻大和線について
 次に、都市計画道路荒巻大和線についてであります。
 野村小学校交差点を起点に、県道泉塩釜線は朝夕のラッシュ時にひどい交通渋滞を起こしております。これらの緩和策については、県道泉塩釜線の野村小学校交差点に右折、左折レーンを設けて、加茂方面に流れる車の流れをスムーズにすること、これを受けて七北田川を横断する古屋敷橋をかけかえて、現在の交互交通を対面交通にすることであります。また、それ以外の解決としては、都市計画道路荒巻大和町線の整備を急げば、これらの交通渋滞は緩和できるものであります。この春には泉スマートインターチェンジが開設され、当地区の自動車交通量も車の流れが大きくふえ、流れも大きく変わるものと思われます。これらの対策を同時施工とまでは申しませんが、どれを優先的に先行すべきかを早急に決定して、事業に着手する必要があるものと考えますが、当局の御見解をお尋ねいたします。

都市計画道路 宮沢根白石線・八乙女折立線について

 次に、国道四号線仙台バイパスに接近する都市計画道路宮沢根白石線と、八乙女折立線の整備状況についてお伺いをいたします。
 国道四号バイパスと都市計画道路宮沢根白石線との接続協議が、東北地方建設局との間でまとまらず、こちらも交差点周辺の八乙女地区は慢性的な交通渋滞を招いております。しかしながら、ここに来てようやく交差点処理の協議がまとまったと伺っておりますが、都市計画道路宮沢根白石線及びこれに接続する都市計画道路八乙女折立線の整備スケジュールは、今後どのように進めようといたしておるのか、お伺いをいたします。
 以上で私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
◯市長(梅原克彦) ただいまの郷湖健一議員の御質問にお答えを申し上げます。
 まず、荒川静香選手の顕彰に関するお尋ねでございました。言うまでもなく、今回のトリノオリンピックフィギュアスケートでの荒川選手の金メダル獲得は、快挙の一言に尽きるものでございます。さまざまな重圧の中で荒川選手は持てる力を十二分に発揮されまして、私たち日本人はもとより全世界の人々に喜びと感動を与えてくれました。荒川選手の演技、何度拝見しても美しさ、美の極致とも言うべきすばらしい演技でございました。まさに氷上に大輪の花が咲いたものでございます。
 日本におけるフィギュアスケートの発祥の地であります仙台から、このたび日本初めての金メダリストが誕生したこと、これは私たち仙台市民の大きな喜びであり、また誇りでございます。これをたたえまして、仙台市独自の顕彰制度である賛辞の楯を贈呈することを決めますとともに、このすばらしい偉業を仙台市民とともに祝いたたえるため、特別表彰を行うことを決めたところでございます。
 次に、泉ケ岳に関する一連の御質問にお答えを申し上げます。
 泉ケ岳は、豊かな自然が残る仙台市の貴重な財産でございます。昔から多くの市民に親しまれてまいりました。私自身も、若いころにハイキングなどを通じてその自然に触れ、自然の恵みを実感してまいったところであります。市長に就任後、現場視察の一つとして早速泉ケ岳を訪れまして、点在する施設ですとか、ミズバショウ群生地などを視察いたしました。改めて豊かな自然を再認識するとともに、かけがえのないこの財産を後世に継承していかなければならないという思いを強く感じたところでございます。
 今後は市街地に比較的近く、また山ろくに草原や森林が穏やかに広がっているという泉ケ岳の特色を生かしまして、世代を超えて市民の皆様がより一層泉ケ岳の四季の自然に触れ、また自然の中で楽しんでいただくような場所として活用してまいりたいと考えております。
 現在、少年自然の家の移転計画が進められており、それにあわせて自然環境の保全と調和を基本にいたしまして、現状の地形なども極力生かした形で、来訪者の方々が自然に触れ、親しむための機能を充実していくことが必要であると考えております。芳の平を含めました周辺の土地の利活用につきましては、これまでの経過を整理した上で、平成十八年度から泉ケ岳周辺地域の代表の方々を初め、スキーや登山などを通じまして、この地域で活動をされている団体の皆様から御意見をいただき、検討をしてまいりたいと考えております。
 そのほかの御質問につきましては、関係の局長から答弁をさせたいと存じます。
 以上でございます。
◯経済局長(五十嵐悦朗)泉スマートインターチェンジ周辺の産業振興についての御質問にお答えを申し上げます。
 高速交通網やインターチェンジは、地域の産業振興を図る上で大変重要な都市基盤であり、本市におきましても泉インターや仙台港のインターチェンジに近接した地域は、企業にとって立地メリットが大きく、製造業や物流関係の事業所が一定程度集積しているところでございます。
 野村地区につきましては優良な農地として活用されておりますことから、スマートインターチェンジが設置された場合でも、産業面での効果は現在のところ限定的なものになると認識いたしておりますが、今後、同地域の土地利用のあり方が検討される中で、高速道路を有効に活用できる産業振興施策につきましても検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◯都市整備局長(保科学)私からは、泉スマートインターチェンジ周辺の土地利用についての御質問にお答えいたします。
 御指摘の野村地区の東北縦貫道東側につきましては、本市の都市計画の方針におきまして、都市的な居住、産業などの機能を配置すべき市街地ゾーンと位置づけておりますけれども、現状の人口動向などを見ますと、現時点では当地区において市街化を推進する状況ではないと考えております。しかしながら、今回のスマートインターチェンジ整備の目的の一つが、地域産業の支援効果を高めることにもありますので、今後のスマートインターチェンジの利用動向や社会経済情勢などを見据えながら、この地区の土地利用のあり方を検討してまいりたいと考えているところでございます。
 以上でございます。
◯建設局長(中村克正)私からは、都市計画道路事業に関する御質問にお答えいたします。
 初めに、平成十八年度都市計画街路事業費の予算化に当たっての基本的なスタンスについてお答えいたします。
 都市計画道路は、まちづくりの根幹的な都市施設でございまして、地域経済の発展、市民生活向上に寄与するとともに、交通渋滞解消や交通安全の面からも整備が急がれる施設でございます。予算計上に当たりましては、アクセス三十分構想などの推進を図りながら、事業のさらなる重点化によりまして整備効果が早期にあらわれるようにいたしたところでございます。
 次に、仙台市総合道路整備計画策定の進捗状況についてでございます。
 現在、原案を作成しまして庁内関係部局との調整を行っているところでございます。今後は、この原案の内容を区ごとの説明会やホームページなどで広く市民の皆様にお知らせするとともに、有識者の方々の御意見もいただくこととしております。これらを踏まえまして、計画を策定しまして、新年度のできるだけ早い時期に公表したいと考えております。
 次に、都市計画道路荒巻大和町線の整備についてお答えいたします。
 野村小学校北側の交差点や泉中央地区の渋滞を緩和するためには、荒巻大和町線の整備が有効であると認識しておりますが、現整備計画では新規路線の事業化は難しいものと考えております。したがいまして、都市計画道路北四番丁大衡線の早期整備によって、車両の分散化を図りますとともに、県道泉塩釜線の徳洲会病院から泉総合運動場付近までの区間の四車線整備とあわせまして、野村小学校北側の交差点の改良につきましても可能な対応策を検討してまいりたいと考えております。
 最後に、国道四号バイパスに接続する都市計画道路宮沢根白石線と、これに接続する八乙女折立線の今後の整備の進め方についてお答えいたします。
 先般、公安委員会との間で事業に関係する交差点の協議が整いましたことから、平成十八年度より国道交差部工事に必要な用地買収を進めまして、その進捗状況を見ながら完成時期を明らかにしてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
◯教育長(奥山恵美子)泉ケ岳少年自然の家の機能見直しに関するお尋ねにお答えいたします。
 泉岳少年自然の家につきましては、泉ケ岳エリア全体の活性化という観点から、改築場所を廃止の方針が示されました野外活動センターの跡地へと変更いたしたところでございます。また、市民が身近に泉ケ岳の自然と触れ合うことができるようにするため、教育施設としての基本的な機能に加えまして、登山者に対する案内や休憩スペースの提供など、野外活動センターがこれまで担ってまいりました機能を付加する方向で、現在、改築計画の再検討を進めているところでございます。
 以上でございます。